○高千穂町景観条例
平成30年3月20日
条例第1号
(目的)
第1条 この条例は、本町の特性が活かされた良好な景観を守り、将来に継承するために必要な事項及び景観法(平成16年法律第110号。以下「法」という。)の規定に基づく手続等について必要な事項を定めることにより、町民参加のもとに美しくゆとりのある景観の実現を図り、もって心癒す風景のある高千穂町のまちづくりに寄与することを目的とする。
(1) 建築物等 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物及び工作物(土地に定着し、建築物に附属し、又は土地若しくは建築物に継続的に設置されるもののうち、建築物以外のものをいう。)をいう。
(2) 建築行為等 建築物等の新築、増築、改築、移転、外観を変更することとなる修繕、模様替え若しくは色彩の変更又は都市計画法(昭和43年法律第100号)第4条第12項に規定する開発行為(以下「開発行為」という。)をいう。
(3) 広告物 屋外広告物法(昭和24年法律第189号)第2条第1項に規定する屋外広告物及びこれを掲出する物件並びに建築物の窓等の内面に掲出し、屋外に向けて表示する広告物をいう。
(4) 事業者 建築行為等に係る工事を実施又は委託しようとする者をいう。
(5) 町民 町内に居住、在勤又は在学する者及び町内に土地又は建築物等を所有、占有又は管理する者をいう。
(町の責務)
第3条 町は、良好な景観の形成(以下「景観形成」という。)を推進するための施策を策定し、これを総合的かつ計画的に実施しなければならない。
2 町は、前項の施策の策定及び実施に当たっては、町民の意見を反映させるよう努めなければならない。
(町民及び事業者の責務)
第4条 町民及び事業者は、自らが景観形成の役割を担うものであることを認識し、それぞれの立場から積極的に景観形成に努めなくてはならない。
2 町民及び事業者は、町が行う景観形成についての施策に協力しなければならない。
(高千穂町景観審議会)
第5条 本町の景観等に関する施策の推進に関し、条例及び景観計画の円滑な運用を図るため、町長の付属機関として高千穂町景観審議会を置く。
2 審議会の組織及び運営について必要な事項は規則で定めるものとする。
(景観計画の策定)
第6条 町長は、本町における景観形成に関する基本的な方向を明らかにし、総合的かつ計画的に推進するため、法第8条に基づき高千穂町景観計画(以下「景観計画」という。)を定めるものとする。
2 町長は、景観計画を策定しようとするときは、法第9条に定める手続によるほか、高千穂町景観審議会(以下「審議会」という。)の意見聴取を行うものとする。
3 町長は、景観計画を策定したときは、その内容を告示するものとする。
4 前2項の規定は、景観計画を変更する場合に準用する。ただし、法第8条第2項に規定する事項以外のものに係る変更については、法第9条第2項の手続を省略することができる。
(景観計画区域の指定)
第7条 法第8条第2項第1号に規定する景観計画区域は、景観計画において定めるものとする。
(基本方針)
第8条 事業者は当該建築物等が第6条の景観計画及び次に掲げる行為の制限の基本方針に適合するよう努めなければならない。
(1) 自然が豊かで、心癒す風景や魅力あるまちなみの保全・創出を目指して、歴史や文化などこれまでの地域の成り立ちや変遷を考慮した上で、建築物や工作物等について、良好な景観の形成に努める。
(2) まちなみ景観の大きな要素となる建築物及び工作物の配置、規模、形態意匠、緑化などについて、地域全体として調和のとれたものとなるよう努める。
(届出を要する行為)
第9条 法第16条第1項の規定による届出の対象となる行為(同項第4号の規定により条例で定める行為を含む。以下「届出対象行為」という。)は、次に掲げる行為で、規則に定める規模のものとする。
(1) 建築物で、その高さ若しくは建築面積が規則で定める規模を超えるものの新築、増築(増築により新たに当該規則で定める規模を超えることとなる場合の当該増築を含む。)、改築(改築により新たに当該規則で定める規模を超えることとなる場合の当該改築を含む。)若しくは移転又は外観を変更することとなる修繕、模様替若しくは色彩の変更(以下「建築等」という。)
(3) 柵又は塀で、高さ及び長さが規則で定める規模を超えるものの新設、増築、改築若しくは移転又は外観を変更することとなる修繕、模様替若しくは色彩の変更(以下「設置等」という。)
(4) 土地の区画形質の変更(土地の開墾及び水面の埋立てを含む。以下同じ。)で、変更に係る土地の面積が規則で定める面積を超えるもの又は高さ及び長さが規則で定める規模を超えるのり面若しくは擁壁を生じるもの
(5) 地形の外観の変更を伴う鉱物の掘採又は土石の採取で、地形の外観の変更に係る土地の面積が規則で定める面積を超えるもの又は高さ及び長さが規則で定める規模を超えるのり面若しくは擁壁を生じるもの
(6) 木竹の伐採(森林保護のための間伐等の行為を除く。)で、変更に係る土地の面積が規則で定める面積を超えるもの又は高さが規則で定める規模を超えるもの
(7) 屋外における土石、廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第1項に規定する廃棄物をいう。以下同じ。)、再生資源(資源の有効な利用の促進に関する法律(平成3年法律第48号)第2条第4項に規定する再生資源をいう。以下同じ。)その他の物件の堆積(規則で定める堆積の期間を超えるものに限る。)で、その行為に係る面積が規則で定める面積を超えるもの又は高さが規則で定める規模を超えるもの
(8) 太陽光発電については、規則で定める設置する高さや面積を超えるもの
(景観形成基準の方針及び景観形成基準)
第10条 前条に定める届出対象行為をしようとする者は、景観計画に定める景観形成基準の方針との適合を図るよう努めなければならない。
(法第16条の適用除外)
第11条 法第16条第7項第11号の規定により、同条第1項から第6項までの規定の適用除外となる行為は、規則で定めるものとする。
(特定届出対象行為)
第12条 法第17条第1項の規定により変更命令等の対象行為として条例で定める行為は、法第16条第1項第1号及び第2号に規定する行為のうち、第9条の規定により届出を要する行為とする。
(届出事項等)
第13条 法第16条第1項の規定による届出は、規則で定める届出書及び書類等を添付して行うものとする。
(勧告、命令等に係る手続き)
第15条 町長は、前条第2項の規定による勧告及び法第17条第1項又は第5項による命令を行う場合は、緊急を要する場合を除き、審議会の意見を聴くものとする。
2 町長は、前項の規定により公表しようとするときは、あらかじめその事業者に意見を述べる機会を与えなければならない。
(景観重要建造物等の指定の手続)
第17条 町長は、景観形成上重要な役割を果たしていると認める建造物(これと一体となって良好な景観を形成している土地その他の物件を含む。)及び樹木を、法第19条第1項に規定する景観重要建造物及び法第28条第1項に規定する景観重要樹木(以下「景観重要建造物等」という。)として指定することができる。
2 町長は、前項の景観重要建造物等の指定をしようとするときは、あらかじめ所有者等の同意を得るとともに、審議会の意見を聴くものとする。
3 町長は、景観重要建造物等を指定したときは、所有者等に通知し、その旨を告示するものとする。
4 町長は、公益上の理由その他特別な理由があると認めるときは、第1項の指定を解除するものとする。
5 町長は、前項の解除をするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。
(管理に関する助言及び指導)
第18条 町長は、景観重要建造物等の管理が適当でないため景観形成上の価値が損なわれると認めるときは、当該景観重要建造物等の所有者等に対し、管理の方法の改善その他管理に関し必要な措置を講じるよう助言又は指導することができる。
(景観づくり活動団体)
第19条 町長は、高千穂町の良好な景観の形成に資すると認められる団体を景観づくり活動団体として認定することができる。
(表彰)
第20条 町長は、景観形成に貢献したと認められる者又は団体を表彰することができる。
(認定)
第21条 町長は、良好な景観づくりに著しく寄与していると認める建築物等を優良な景観建築物等として認定することができる。
(委任)
第22条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
この条例は、平成30年4月1日から施行する。